発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012318851
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症例は60歳男性で、25歳時に高血圧を指摘され、近医で内服治療を受けていたが降圧効果は不十分で難治性のため紹介入院した。左背部に血管雑音を聴取した。心エコーで心室中隔壁厚15mmと心肥大を認めるも心機能・壁運動に異常はなかった。造影CTで下行大動脈から腹部大動脈分岐部にかけて石灰化を伴う狭窄を認め、両側内胸動脈から上下腹壁動脈にかけての側副血行路が認められた。冠状動脈造影では左冠状動脈入口部に75%狭窄が認められた。左冠状動脈主幹部病変を伴う異型大動脈縮窄症と診断された。冠状動脈バイパス術(CABG)のグラフトとして下肢への側副血行路となっている内胸動脈を使用するため、下肢へのバイパスとCABGを同時に行った。術後はICU入室後約12時間で人工呼吸器から離脱し、ABIは右0.56→0.95、左0.54→0.96と改善した。造影CTで上行大動脈-両側外腸骨動脈バイパス、冠状動脈バイパス共に良好な開存を認め、経過良好で術後10日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012