臨床経験
慢性鳥飼病を合併した症例に対する冠状動脈バイパス術
田中 慶太
1
,
成瀬 好洋
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 循環器センター外科
キーワード:
Prednisolone
,
大動脈内バルーンパンピング
,
経口投与
,
愛鳥家肺
,
冠状動脈バイパス術
,
冠血管造影
,
冠状動脈狭窄症
,
静脈内注入
,
Hydrocortisone Succinate
,
胸部CT
Keyword:
Administration, Oral
,
Coronary Artery Bypass
,
Bird Fancier's Lung
,
Intra-Aortic Balloon Pumping
,
Infusions, Intravenous
,
Prednisolone
,
Coronary Angiography
,
Coronary Stenosis
,
Cortisol Succinate
pp.809-812
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298153
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80歳男。労作時呼吸困難を主訴とした。鳥飼病の加療中に労作時の息切れと胸部絞扼感が出現し、狭心症が疑われた。冠状動脈造影所見では左主幹部(LMT)から左前下行枝にかけて90%狭窄、左前下行枝(#7)に90%狭窄、回旋枝末梢(#13)にも高度狭窄を認め、呼吸機能検査では肺活量と全肺気量の著明低下、中等度の拡散障害を認めた。LMTを含む多枝病変であり、術前の冠状動脈の評価とびまん性肺疾患の併存を考慮して1枝(左内胸動脈-左前下行枝)に心拍動下冠状動脈バイパス術を行い、術後は細菌性肺炎や無気肺の防止に努めたが、呼吸器感染を契機に呼吸困難が出現した。高分解能CTにてびまん性のスリガラス状陰影や蜂巣肺の増悪などを認め、間質性肺炎の急性増悪と診断してステロイドパルス療法を導入した結果、呼吸困難の軽快と呼吸機能の回復が得られた。
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