発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008008061
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57歳女。患者は易疲労感を主訴とした。32歳時に大動脈弁閉鎖不全+僧帽弁狭窄兼閉鎖不全に対して、大動脈弁置換術+僧帽弁置換術(MVR)を施行した既往があった。その後、43歳時に僧帽弁位人工弁の生体弁機能不全により、再MVR、三尖弁輪形成術(TAP)が施行された。そして52歳時に初めて溶血性貧血を認め、57歳時に息切れ、易疲労感を感じるようになった。血液検査では高度の貧血およびLDHの上昇がみられ、僧帽弁位人工弁の弁周囲逆流(PVL)による溶血性貧血と診断された。手術を行なう方針となり、後線維三角部人工弁周囲に長さ7~8mmの組織欠損が認められ、PVLの原因と考えられた。経過は良好で貧血の進行なく、患者は術後、第15病日目に退院となった。現在、10ヵ月を経過でPVLの再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007