発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016030708
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37歳女。咳嗽が持続し、近医でのCTで左S6に空洞を伴わない浸潤影と周囲への散布影を認め、胃液より結核菌が検出された。肺結核の診断で抗結核薬が投与され約1年後に略治したが、その約1年9ヵ月後に発熱、咳嗽が出現した。胸部CTで左S6は粘液栓と炎症により閉塞性肺炎を呈し、気管支鏡で左B6気管支の入口部は気管支粘膜に覆われ完全に閉鎖していた。左B6気管支の入り口部で穿刺吸引(結核菌塗抹・PCR法・培養)を実施したが、結核菌は認めなかった。また、同部の気管支粘膜も生検したが、乾酪壊死など好酸菌感染を示唆する所見は認めなかった。左B6気管支閉塞に伴う閉塞性肺炎と診断し、biapenemの投与を行い炎症性陰影は軽快した。しかし、閉塞部の末梢気管支拡張が残存し、頑固な咳嗽が遷延していたため、左S6区域切除術を施行した。術直後より咳嗽は消失し、第8病日に退院となった。現在まで再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015