新しい局面を迎えた肺癌診療
《非小細胞肺癌の治療の実際》EML4-ALK肺癌と最新治療
須田 健一
1
,
富沢 健二
,
光冨 徹哉
1九州大学病院 呼吸器外科(2)
キーワード:
変異
,
肺腫瘍
,
免疫組織化学
,
Fluorescence in Situ Hybridization
,
治療成績
,
抗腫瘍剤耐性
,
RT-PCR法
,
新薬開発
,
Crizotinib
,
Anaplastic Lymphoma Kinase
,
EML4-ALK融合タンパク質
Keyword:
Immunohistochemistry
,
Lung Neoplasms
,
Mutation
,
Treatment Outcome
,
In Situ Hybridization, Fluorescence
,
Drug Resistance, Neoplasm
,
Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction
,
Drug Discovery
,
Anaplastic Lymphoma Kinase
,
EML4-ALK Fusion Protein, Human
,
Crizotinib
pp.729-735
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013010638
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・慢性骨髄性白血病のBCR-ABLに代表される融合遺伝子は、血液腫瘍および肉腫などの特殊な固形腫瘍に限定的なものと考えられてきた。しかし2007年に肺癌において発見されたEML4-ALKはその常識を覆し、さらに現在までに、ROS1やRETの融合遺伝子も肺癌において相次いで同定されている。・これらの融合遺伝子産物からのシグナルは癌細胞の生存・増殖に必須であり、重要な治療標的となることが明らかとなってきた。EML4-ALKを有する肺癌に対してはALKキナーゼ阻害薬であるcrizotinibがすでに臨床応用され、しばしば劇的な治療効果をもたらすことが示された。・さらに、crizotinib獲得耐性機序の解明や新規ALKキナーゼ阻害薬の開発も進んでいる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012