発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016019426
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65歳女。単純X線で左上中肺野に15mm大の境界明瞭な結節影を認めた。CTでは左肺上葉S3領域に胸膜陥入像・スピクラ・血管収束像を伴う12mm大の境界明瞭な腫瘤を認めた。FDG-PETでは腫瘤性病変に一致してFDG異常集積を認め、原発性肺癌が疑われた。胸腔鏡にて腫瘍を含め左肺部分切除を施行した。病理組織検査で、Grocott染色に染まる菌体の集合を認め、大小不同円形の形状より菌体は酵母型真菌と考えられた。PAS染色では多核巨細胞中に取り込まれた莢膜を有する菌体を確認でき、形態学的に肺クリプトコッカス症と診断した。術後fluconazoleを6ヵ月間内服し、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015