発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013095090
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71歳女。検診にて胸部異常陰影を指摘された。初診時の血液生化学検査はProGRPは59.5pg/mlであったが約2ヵ月後に83.0pg/mlとなった。胸部X線、胸部CTで不整結節像を認めたが、1ヵ月後には結節は縮小傾向で陰影濃度が低下した。気管支鏡検査で擦過、洗浄両細胞診行ったが悪性所見は認めなかった。しかし、FDG-PET所見で左上葉の結節にFDGの集積を認め、ProGRP高値である事より肺癌を強く疑った。手術ではS3aに弾性硬の結節を触知し、同結節を迅速穿刺組織診断した。悪性所見はなく肺部分切除を行った。再び行った迅速穿刺病理検査所見で腫瘍成分はなく、胸腔鏡補助下左肺部分切除を行った。摘出標本の病理組織所見で腫瘍性病変は認めなかった。ProGRPは術後4ヵ月に58.5pg/mlに低下したが、正常値上限以上の数値であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012