臨床経験
独立して併存した気管原性嚢胞と肺葉内肺分画症
小貫 琢哉
1
,
中岡 浩二郎
,
山名 高志
,
西山 直樹
,
斉藤 和人
,
稲垣 雅春
1茨城県厚生農業協同組合連合会総合病院土浦協同病院
キーワード:
気管支原性嚢胞
,
気管支肺分離症
,
胸腔鏡法
,
胸部X線診断
,
縫合法
,
胸部CT
Keyword:
Bronchogenic Cyst
,
Bronchopulmonary Sequestration
,
Suture Techniques
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracoscopy
pp.947-949
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016019425
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18歳男。主訴は胸部異常影であった。CTにて上縦隔の気管右側に34×26×54mmの嚢胞性病変と、右下葉の肺底区に著明な気腫状を呈した異常肺の領域を認めた。異常肺には気管支と肺動脈の分布を認めず、下行大動脈から分岐する異常動脈を認め、異常肺を還流した肺静脈は右下肺静脈に合流していた。胸腔鏡補助下に手術を行い、奇静脈頭側に存在した右上縦隔嚢胞性病変を切除した。右下葉の臓側胸膜に認めた正常肺と異常肺を自動縫合器にて切離した。上縦隔の嚢胞性病変と右下葉の異常肺との間に連続性は認めなかった。病理組織所見で右上縦隔の嚢胞性病変は気管支原性嚢胞と診断された。また、右下葉の異常肺内には拡張した気管支と著明な嚢胞性変化を伴った肺実質を認め、肺葉内肺分画症と診断された。
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