発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009346680
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著者らが経験した肺クリプトコッカス症切除例8例を対象に臨床病理学的検討を行った。その結果、平均年齢は49歳で、男性5例、女性3例であった。免疫状態は良好が5例、糖尿病1例、糖尿病/肝炎1例、肺癌1例であった。病変数は孤立性4例、多発性3例、2個が1例で、病変の大きさは平均1.3cmで、腫瘤を呈した例はなかった。また、胸部CTでは大部分の症例が境界明瞭な充実性小結節を呈しており、術前のFDG-PETは3例に施行されたが、うち2例は陽性であった。手術は全例で部分切除術が施行され、病理組織学的に全例でCryptococcus菌体が証明された。術後治療としてfluconazoleによる内服加療は4例で施行されたが、うち1例は副作用のため内服開始後3ヵ月で中止となった。尚、術後治療の有無にかかわらず予後は良好で、術後に病状が再燃した症例はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009