発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015390524
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症例は在胎39週1日に3015gで出生した男児で、生後24日目に急激なショック状態に陥り、近医にて前突の腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全と診断され、当院搬送となった。保存的治療に反応乏しく、生後28日目に腱索再建と弁輪縫縮による僧帽弁形成術を行ったが、逆流のコントロール不良のため生後37日目にsupra-annular位での僧帽弁置換術(MVR)を施行した。MVR後2ヵ月で突然stuck valveを呈し、緊急で前回と同様の再MVRを行い、さらに厳重な抗凝固療法を行った。しかし、生後6ヵ月時(再MVR2ヵ月後)に再びショック状態に陥り、身体に対して大きすぎる機械弁では同様の人工弁機能不全を繰り返すと考え、Ross II手術を施行した。その後、洞機能不全症候群による徐脈に対し永久的ペースメーカーを移植し、Ross II手術後3ヵ月で退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015