発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008146450
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
3回以上の僧帽弁置換術(MVR)を施行した25例のうち、弁輪へ炎症が波及している可能性のあった感染性心内膜炎と人工弁感染のため再MVRを行った4例を除く21例(男性4例、女性17例)を対象として、MVRの回数、再手術の原因、手術間隔、弁縫着の手技、使用人工弁の種類と人工弁周囲逆流(PVL)発症との関係を検討した。21例のうち、3回のMVR 16例、4回のMVR 4例、5回のMVR 1例であった。結果として、手術回数が多いほどPVLの発症率が高くなる傾向がみられた。またPVL既往例の方がPVLの発症率が高くなる傾向がみられ、直前の手術でPVLを発症した症例の方が次回もPVLを発症する可能性が高かった。さらに、再手術時に生体弁より機械弁を選択した方がPVL発生率が高かった。PVLのコントロールには確実な弁縫着のための工夫が必要であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008