発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006105430
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73歳女性.患者は既往として54歳時に僧帽弁閉鎖不全(MR)でCEP弁による僧帽弁置換術を受けた.今回,突然に胸がザーザーする感じで近医を受診,心エコーにて重度MR,中等度三尖弁逆流を認め,肺高血圧と著明な血尿より人工弁機能不全が疑われ救急搬送された.X線では心胸郭比(CTR)58%,軽度の肺うっ血,尿潜血反応(3+)を認め,心電図は洞調律であった.僧帽弁位CEP弁の機能不全と機械的溶血と診断し,緊急に人工弁置換術を行った.生体弁は後壁側中隔寄りのステント縫合部で大きく断裂し,左室内の生体弁のステントが後壁と高度に癒着,剥離が危険なため生体弁の弁輪,ステントを留置したまま生体弁のカフに機械弁を縫着した.以後,人工心肺からの離脱は容易で,尿量も体外循環中から確保され,血尿も徐々に正常化し,術後2日目に抜管となり経過は順調である
©Nankodo Co., Ltd., 2006