発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009114898
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49歳女。22年前、リウマチ性僧帽弁狭窄症の診断で僧帽弁置換術を施行し、Carpentier-Edwardsブタ弁25mmを植え込んだ。以後は外来で定期観察していたが、今回、動悸、労作時息切れの増悪がみられ精査目的で入院となった。胸部X線で心胸郭比56%、右第2弓および左第2弓の突出、気管分岐角の拡大を認め、経食道心臓超音波では左室から左房にかけて逆流を認めた。また、血管造影では左室造影でSellers分類IVの人工弁からの逆流を認めた。僧帽弁位の生体弁機能不全と診断し、再弁置換術を施行した。手術所見で、生体弁ステントの左室への癒着は軽度で、僧帽弁輪より生体弁を外すことは容易であった。27mm ATS弁による僧帽弁置換術を施行し、三尖弁には18mm Edwards MC3 Ringによる三尖弁形成術を施行した。摘出した人工弁には破損・穿孔はなかったが、全体的にパンヌスで覆われており、一部石灰化を認め、弁尖の可動性低下を起こしていた。また、一弁尖に接合不良を認める部位があり、同部から逆流しているものと考えられた。術後経過は良好で、術後53日に退院となった。
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