発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015298902
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26歳男。既往歴に感染性心内膜炎に対する僧帽弁置換術、左側頭葉の塞栓性梗塞があった。また、2年前より難治性アトピー性皮膚炎に対しciclosporin内服が開始されていた。今回、発熱、意識障害が出現し、頭部CTで左側頭葉に陳旧性の脳梗塞、右側頭葉~後頭葉に新規の脳梗塞を認めた。経食道心エコーでは僧帽弁位機械弁に疣贅を認め、培養検査では皮膚落屑からMRSA、血液からMSSAが検出された。Ciclosporinは中止し、抗生剤投与後に炎症所見は改善し、意識障害も回復したが、急性期の脳梗塞であったため、発症2週間後に僧帽弁再置換術を行った。術後経過は良好で、術後5週目に独歩退院した。なお、アトピー性皮膚炎は、保湿を主とする皮膚ケアとステロイド外用薬にて改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015