発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012175461
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63歳女。16年前に大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症のため機械弁による2弁置換術および三尖弁形成術を施行された。脳出血で入院中に発熱が生じ、経胸壁心エコーで大動脈弁、僧帽弁の膿瘍および弁周囲逆流が認められた。感染と心不全のコントロールを行い、1ヵ月後に再度の大動脈弁置換術および僧帽弁置換術を施行した。自己心膜を採取した後、人工心肺を確立して僧帽弁位人工弁を摘出し、後尖側弁輪部の膿瘍腔を郭清・洗浄した。膿瘍腔に新鮮自己心膜片を被せるように逢着して閉鎖し、プレジェット付き2-0ポリエステル糸でCarbomedics弁25mmを縫着した。次いで大動脈弁位人工弁を摘出し、左冠尖下の膿瘍腔と全周性のパンヌスを郭清・洗浄した後、膿瘍腔を閉鎖するように新鮮自己心膜片を当てて周囲を縫合し、SJM Regent弁17mmを縫着した。術後経過良好で99日目に独歩退院し、3年半後も感染再発徴候はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012