発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007226672
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症例は55歳男性で、発熱、悪寒を主訴に、精査加療目的で入院となった。既往歴として、僧帽弁狭窄症に対する閉鎖性僧帽弁交連切開術、大動脈弁閉鎖不全症に対する大動脈弁置換術、僧帽弁狭窄症再発に対する僧帽弁置換術、maze手術があった。入院後の精査でMRSE(多剤耐性表皮ブトウ球菌)による感染性心内膜炎と診断し、抗生物質による内科的治療を行ったがコントロール不能であったため、入院後32日目に手術を施行した。手術所見では大動脈弁直下の左室流出路に疣贅を認め、細菌検査にてGram陽性球菌が検出されたため、ウマ心膜ストリップを弁輪に縫着する方法で大動脈弁再置換術を行った。術後、linezolid投与を開始した結果、人工弁再感染を防ぎ、完治することができた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007