発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013316889
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76歳女。大動脈弁狭窄症・発作性心房細動に対して大動脈弁置換術、肺静脈隔離術が行われた。術後エコーでは大動脈弁逆流(AR)は生理的な逆流のみであったが、その後、発熱が持続、第19病日目には心雑音が認められ、エコーにてAR I~II度と増悪が認め、人工弁感染性心内膜炎が疑われた。術前エコー所見では人工大動脈弁の左冠尖、右冠尖側の弁輪部にエコー輝度上昇と弁周囲逆流が認められ、胸骨正中切開にて上行大動脈より送血、上下大静脈より脱血し、人工心肺を確立した。だが、左冠尖、右冠尖の弁下部組織の破壊が著明で、左前線維三角との連続性が失われていたことから人工弁を除去し、17mm Regent機械弁を弁輪上側に設置した。更に術後、fosfluconazoleの投与を開始し、術後1日目に抜管、2日目の疣贅の培養ではAspergillusが検出された。以後、11日目に呼吸状態は改善し酸素投与を中止したが、16日目に再び呼吸・循環動態が増悪し、意識レベルが低下、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌による敗血症性ショックを合併し、患者は23日目に死亡となった。
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