発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012175462
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
57歳男。1年2ヵ月前に僧帽弁・三尖弁閉鎖不全症、心房細動に対して僧帽弁置換術、三尖弁輪縫縮術、maze手術を施行し、術後に洞機能不全症候群を発症したためペースメーカ植込み術を行った。発熱が出現し、血液培養でGram陽性菌が検出された。心臓超音波で僧帽弁位人工弁の左室側および左房側に疣贅を認め、人工弁感染性心内膜炎と診断して緊急開胸術を施行した。感染人工弁および疣贅を除去し、人工弁を用いた僧帽弁再置換術を行った。術中の摘出検体でメチシリン感受性黄色ブドウ球菌が検出されたためcefazolin、ampicillin/sulbactamを投与し、感染コントロール良好となったが、術後31日目にペースメーカポケット部の発赤・腫脹が認められた。穿刺で膿性滲出液を認め、ペースメーカ感染と診断して対側から一時的にペースメーカを挿入し、感染ペースメーカの全システムを除去した。5日後に再度ペースメーカ植込み術を施行し、第62病日に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012