手術の工夫
術後に特異な形態の右肺動脈狭窄・大動脈弁上狭窄をきたした肺動脈弁欠損を伴うFallot四徴症
本田 義博
1
,
鈴木 章司
,
加賀 重亜喜
,
吉田 幸代
,
木村 光裕
,
神谷 健太郎
,
榊原 賢士
,
葛 仁猛
1山梨大学 第二外科
キーワード:
Fallot四徴症
,
血管造影
,
再手術
,
術後合併症
,
心臓血管外科
,
X線CT
,
肺動脈弁
,
肺動脈弁狭窄症
,
未熟児疾患
,
低出生体重児
,
周術期管理
,
大動脈弁上狭窄症
,
大動脈置換術
,
非侵襲的陽圧呼吸
,
肺動脈弁欠損症
Keyword:
Angiography
,
Infant, Low Birth Weight
,
Infant, Premature, Diseases
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Valve
,
Pulmonary Valve Stenosis
,
Cardiovascular Surgical Procedures
,
Reoperation
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Tetralogy of Fallot
,
Perioperative Care
,
Aortic Stenosis, Supravalvular
pp.343-347
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015298894
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日齢0男児。在胎37週4日に帝王切開にて出生し、体重1912g、Apgarスコア6/8点、チアノーゼを認めた。精査の結果、肺動脈弁欠損を伴うFallot四徴症(TOF/APV)および気管軟化症と診断し、生後14日に呼吸不全から徐脈となる既往があり、NPPVによる呼吸管理を開始した。以後は呼吸状態の安定が得られ、生後5ヵ月にLecompte法による気道圧迫解除を含む心内修復術を施行した。術後経過は良好で、約5ヵ月後に気管軟化症が改善したため、NPPVを離脱し軽快退院した。3歳時の胸部CTで右肺動脈が上行大動脈へ食い込むような形態の右肺動脈狭窄および上行大動脈弁上狭窄を認め、その後、右室流出路逆流の進行、肺血流左右不均衡が著明となったため、3歳8ヵ月時に人工血管による右肺動脈再建を施行した。再手術の翌日に呼気の延長を伴う呼吸困難を来たしNPPV装着となったが、β刺激薬の貼付で呼気症状は改善し、第5病日にNPPVを離脱し軽快退院した。
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