発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017147
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生後0日男児.チアノーゼ,呼吸不全を主訴とした.最重症型先天性肺動脈弁欠損症を伴うFallot四徴症(TOF)で,生後12日で徐々に生理的肺血管抵抗が低下し,腹臥位での呼吸管理下でも右肺下葉の肺気腫様変化が急速に進行した.一期的根治術は断念し,径4mmのexpanded polytetrafluoroethylene人工血管を用いた左側体肺動脈短絡術と,肺動脈絞扼術(PAB)を施行した.1歳時,conotruncal repairに準じて根治術を施行した.PABで順行性肺血流を保ち,肺動脈弁が2尖弁となるような右室流出路再建で,肺動脈逆流を最小化することができた.経過は良好で,術後9ヵ月時の中心静脈圧は3mmHgであった.しかし,99m Tcによる肺血流シンチグラムと99m Tc gasによる肺換気シンチグラムで第一期術後と同じ部位に換気血流欠損,および肺末梢区域に放射性同位元素の欠損が確認され,肺の末梢の一部にpulmonary obstructive lesionの残存が確認された
©Nankodo Co., Ltd., 2004