発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012264917
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11ヵ月女。出生直後に心室中隔欠損/高度肺動脈弁狭窄、主要体肺動脈側副血行路(MAPCA)と診断された。生後2ヵ月時の肺動脈インデックス(PA index)は91mm2/m2で、バルーン肺動脈弁拡張術を施行した。しかし酸素飽和度は低下傾向で、生後7ヵ月時の酸素投与下経皮酸素飽和度が75%程度であり、PA index 69mm2/m2であった。開胸術を施行し、主肺動脈は低形成で直径3mm程度であった。肺動脈弁開口はピンホール状で、右室流出路のパッチ拡大は不適と判断し、主肺動脈-大動脈端側吻合を行った。術後酸素飽和度は80%台へ上昇し、術後5~8ヵ月に3回のMAPCA閉鎖術を施行した。1歳9ヵ月時に二心室型心内修復術を施行し、心室中隔欠損をGore-Texパッチで閉鎖し、右心室-肺動脈は14mm径Gore-Tex人工血管に2弁を縫着した導管を使用した。その4ヵ月・12ヵ月後に末梢肺動脈狭窄に対するバルーン肺動脈拡張術を施行し、PA indexは165mm2/m2となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012