発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055344
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12歳男児.3歳時に先天性大動脈弁上狭窄を診断されていた.中学入学時健診にて心雑音を指摘された.入院時,心エコー所見では大動脈弁の逆流はほとんど認めず,左室壁肥厚を認め,心カテーテル所見では入口部を含む冠状動脈と肺動脈に病変は認めなかった.左室-大動脈圧較差が56mmHgあり,手術適応とされ,病変形態は砂時計型で,病変が前方に限局しており後方の左冠尖温存のDoty法による大動脈形成術を予定した.術中所見では上行大動脈の冠状動脈直上に狭窄病変を認め,腕頭動脈分岐部直下送血-上・下大静脈脱血で体外循環を確立した.心停止後に上行大動脈前面を縦切開,右側は無冠尖中央を目標に切開を加え,左側は右冠尖の右冠尖-左冠尖接合部方向に切開線を延ばしY字型に切開し作製したY字型パッチを連続縫合し大動脈形成を行った.大動脈遮断時間59分・人工心肺時間108分・無輸血で手術を終了,術後6時間で抜管して第10病日に退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2004