手術の工夫
肺動脈弁輪切開術後遠隔期弁逆流に対する肺動脈弁形成術
小崎 教史
1
,
渕上 泰
,
西岡 雅彦
,
赤繁 徹
,
長田 信洋
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児心臓血管外科
キーワード:
術後合併症
,
心エコー図
,
大動脈縮窄症
,
肺動脈弁
,
肺動脈弁閉鎖不全症
,
開心術
,
心臓弁形成術
Keyword:
Aortic Coarctation
,
Echocardiography
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Valve
,
Pulmonary Valve Insufficiency
,
Cardiac Valve Annuloplasty
pp.403-406
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017264343
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症例は6歳5ヵ月男児で、大動脈縮窄複合に対して生後18日目に大動脈修復術および心室中隔欠損(VSD)パッチ閉鎖術を施行した。この際、経右房的にVSDの位置が確認できず、主肺動脈から右半月弁・前半月弁の交連部を通って右室まで切開を延長した。術後に肺動脈弁逆流を認め、外来経過観察していたが次第に弁逆流が増悪した。経胸壁心エコー所見では、右半月弁、前半月弁の接合が得られておらず、弁尖にずれを認め、肺動脈弁逆流(PR)は中等症~重症であった。右室の拡大を認め、三尖弁閉鎖不全症(TR)は軽症~中等症であった。手術は、胸骨再正中切開でアプローチした。肺動脈弁を観察すると前回手術で交連部切開を行った弁尖(右半月弁、前半月弁)は損傷していた。弁形成は右半月弁と前半月弁の欠損部をグルタルアルデヒドで処理した自己心膜パッチで補填するかたちで行った。術後経過は良好で、術後13日目に退院した。現在、術後1年経過しているが、心エコー検査で有意なPRは認めていない。
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