発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005290833
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2歳女児.患者は生後2日よりチアノーゼを認め,Fallot四徴症(TOF)と診断され,生後4日目に著者らの施設へ紹介となった.入院時,高度肺動脈狭窄を認めリポPGF1投与を開始したが,生後3ヵ月に無酸素発作を起こしβ遮断薬を投与し,7ヵ月時に右Blalock-Taussigシャント術を施行した.術後,MRSA膿胸を合併し,Vancomycin hydrochlorideにて加療し,術後20日にグラフト除去を余儀なくされたが感染は治癒した.術後6ヵ月の心カテーテルで右肺動脈および右鎖骨下動脈の閉塞を認めたが,2歳時の心カテーテルで左室の発育が良好であったため,後天性右肺動脈閉塞を伴うTOFに対し根治術を行った.本例では右肺動脈の再建は断念し,左肺のみの再建であったが,術後早期に肺高血圧を来すことなく比較的良好な結果が得られた
©Nankodo Co., Ltd., 2005