発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004183
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2歳7ヵ月女児.出生直後からチアノーゼを認め,心エコーにて三尖弁閉鎖(膜様閉鎖)・肺動脈弁欠損・右室異形成・動脈管開存・心房中隔欠損と診断された.日齢22日にバルーン心房中隔裂開術,1ヵ月時に左modified Blalock-Taussig(B-T)シャント,11ヵ月時に両方向性Glenn手術・動脈管とB-Tシャント結紮術を施行し,今回は肺動脈弁欠損・右室異形成を伴う三尖弁閉鎖に対してFontan型手術を施行した.術中ほとんど収縮していない右室に続く肺動脈を剥離して遮断テストおよび経食道心エコーにて右室の拡張・左室流出路狭窄がないことを確認後に主肺動脈を離断し,心外導管(延伸ポリテトラフルオロエチレン・グラフト)を用いてtotal cavopulmonary connection(TCPC)を施行した.術後経過は安定しており23日目に退院となり,TCPC後5ヵ月時の心カテーテル検査では左室-大動脈間の圧較差・右室の拡張は認めず,造影検査でも左室流出路狭窄所見は認めなかった.現在,右室の変化について外来にて慎重に経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005