臨床経験
嚢胞形成を伴った迷走神経肺枝由来葉間部神経鞘腫
松岡 隆久
1
,
今西 直子
,
長井 信二郎
,
松岡 勝成
,
植田 充宏
,
宮本 好博
1国立病院機構姫路医療センター 呼吸器外科
キーワード:
胸腔鏡法
,
胸部X線診断
,
神経鞘腫
,
迷走神経疾患
,
肺嚢胞
Keyword:
Neurilemmoma
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracoscopy
,
Vagus Nerve Diseases
pp.1085-1088
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015042052
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60歳女。糖尿病の治療目的で前医に入院した際、胸部X線で左肺門に異常陰影を認められ、精査目的で当科に紹介された。胸部CTで左S6肺野に40mm大の内部低吸収値を呈する辺縁平滑な腫瘤を認め、PET検査で左S6結節のみに軽度集積を認めた。これらの所見から、肺内腫瘤も念頭におき、気管支原性嚢胞あるいは孤立性線維性腫瘍の術前診断のもと胸腔鏡下手術を行った。胸腔内を観察すると、腫瘍は被膜を有し、上下葉間に存在した。上下葉と肺動脈から慎重に剥離を行っていくと剥離可能であり、腫瘤に流入する迷走神経の分枝を3本認め、これを処理した。術中迅速病理検査で神経鞘腫と診断され、腫瘍摘出術を行った。摘出標本の病理組織所見は、紡錘形細胞が束状・交錯して増殖し、核の柵状配列も認められ、神経鞘腫と確定診断した。
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