発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008300314
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67歳男。主訴は咳嗽・喀痰であった。胸部単純X線で右上、中、下肺野に計3個の類円形腫瘤陰影を認め、胸部CTでは上縦隔から中縦隔、後縦隔にかけて腫瘍が3個存在していた。腫瘍はMRIのT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を示し、内部に低信号部位が存在していた。辺縁の造影は良好であったが大部分は造影されず、内部に粘液貯留を伴った迷走神経由来の多発神経原性腫瘍と診断した。胸腔鏡下では腫瘍の剥離が困難であったため開胸し、腫瘤と神経を一塊に摘出した。腫瘍は組織学的に変性が強いものの細胞が疎なAntoni B型神経鞘腫と診断された。術後経過は良好で合併症を認めず、4年経過して無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008