発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009275831
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37歳男性。患者は集団検診にて胸部異常陰影を指摘され、精査加療目的で著者らの施設へ入院となった。入院時、胸部X線では左肺門に腫瘤影が認められ、胸部造影CTでは左中縦隔に大動脈と肺動脈に接する内部不均一な径5.4×3.8cmの腫瘤を認めた。また、胸部造影MRIのT1強調画像では辺縁は高信号、内部は低信号を呈し、この内部領域はガドリニウム造影T1強調画像にて造影効果が認められた。以上より、神経原性腫瘍を疑い、小開胸を併用した胸腔鏡補助下に手術を行ったところ、迷走神経から発生した神経原性腫瘍が確認され、迷走神経本幹を反回神経枝の分岐直後にて切断し腫瘍と合併切除した。病理組織学的には縦隔内迷走神経由来の神経鞘腫であり、術後は反回神経損傷による嗄声や迷走神経切断による合併症は認めず、術後11日目に軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009