臨床経験
肉腫成分を含む副腎皮質癌の転移性肺腫瘍
宇井 了子
1
,
堀尾 裕俊
,
村上 聡子
,
原田 匡彦
,
比島 恒和
1がん・感染症センター都立駒込病院
キーワード:
肉腫
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
副腎皮質癌
,
胸部CT
Keyword:
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Sarcoma
,
Adrenocortical Carcinoma
pp.1089-1091
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015042053
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
43歳男。1年前に左副腎皮質癌に対し他院で摘出術を施行された。今回、経過観察目的の胸部CTで左肺に結節影を認められ、転移性肺腫瘍の疑いで当科に紹介された。胸部単純X線では異常所見は認められなかったが、胸部CTで左肺S6aに6×6mm大の結節影が認められた。腹部CTと頭部MRIも施行したが、再発所見や異常所見は認めなかった。これらの所見から単発肺転移を疑い、肺部分切除を行った。術中迅速病理診断は転移性肺腫瘍であったが、肉腫様形態を示すものであり、原発巣の特定は困難であった。前医の副腎腫瘍切除検体を取り寄せたところ癌腫成分と肉腫成分からなっており、今回の摘出標本所見から、副腎皮質癌の肉腫成分のみが肺に転移したものと判断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014