発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015008988
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症例は74歳男性で、心房細動、高血圧、下肢閉塞性動脈硬化症で通院中であった、定期心エコー検査で左室内に異常影を指摘された。血液生化学検査ではCRP、IL-6が高値以外は特に異常を認めなかった。胸部X線で心胸郭比(CTR)59%で肺鬱血の所見はなく、心電図では心房細動で、ST-T変化は認めなかった。MRIでは僧帽弁直下に左室内腫瘍を認め、T2強調画像で高信号を認めた。経胸壁心エコー所見は左室収縮能は問題なく、僧帽弁後尖の左室側に径11×9mmの可動性を有する腫瘤陰影を認めた。僧帽弁逆流(I/III度)、三尖弁逆流(II/III度)を合併していた。経食道心エコーで僧帽弁後尖P2の左室側に径11×12mmに腫瘤陰影を認めた僧帽弁逆流はI/III度であった。左室粘液腫と診断し手術を行った。病理検査所見から乳頭状線維弾性腫と診断した。術後2年、心エコー検査で再発を認めず、僧帽弁逆流もI/III度と問題なく経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2014