発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013098757
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乳頭状弾性線維腫(PFE)は心臓原発腫瘍の約8%を占め、そのほとんどが弁葉・弁輪部に発生し、心房や心室壁に発生することは稀である。今回著者等は、MDCT検査で偶然発見された左室流出路原発PFEの1例を経験したので、文献的考察を加えて報告した。症例は69歳女、胸痛を主訴とし、狭心症の疑いで当院に紹介された。冠動脈精査目的でMDCT撮影を行ったところ、左流出路心室中隔側に20×15mmの腫瘤陰影が認められた。心エコーでは大動脈弁左冠尖直下の左室流出路に、可動性を有する15mm大の腫瘤として認められた。左室流出路原発腫瘍の臨床診断で手術を行った。術中所見は左冠尖直下の心室中隔に卵型15mm大の腫瘍が認められ、切除標本の病理組織所見からPFEと診断した。術後経過は良好で、2年後の現在まで再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012