発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006036378
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68歳女性.患者は健診において心エコーで右房内に腫瘍像を認め,紹介入院となった.心エコーでは右房内の三尖弁中隔尖の弁輪に近接した心房中隔に茎を有する径2cmの可動性腫瘍を認め,拡張期に三尖弁へ陥入する所見を認めた.心カテーテル検査では冠状動脈に有意な狭窄はなく,腫瘍の栄養血管も認めなかった.右房内腫瘍と診断し手術を施行したところ,摘出した腫瘍は2cm大の寒天状で,水中ではイソギンチャク様のけば立ちを呈した.病理所見では,腫瘍表面は放射状,乳頭状の増生を呈し,中心部はElastica van Gieson染色で黒紫色に染まる弾性線維と赤色に染まる膠原線維を認め,表面に一層の内皮細胞を認め乳頭状線維弾性腫と診断された.術後経過は良好で,術後13日目には退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005