発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015008987
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症例は76歳女性で、子宮外妊娠の既往があり、内服薬としてアスピリン、フロセミド、ジゴキシン、ランソプラゾールを服用していた。大動脈弁位および僧帽弁位の弁置換術が行われていた。経過観察で行われた検査で左房および左室の拡大を認め、大動脈弁および僧帽弁の狭窄が急激に進行していることが示唆された。自覚症状なく経過したが、呼吸困難感、全身倦怠感が出現した。Levine分類II/VIの収縮期雑音および拡張期ランブルを聴取した。胸部X線で心胸郭比65%、肺野に明らかな異常所見はなかった。胸腹部CTで両側胸腔に胸水貯留を認めた。心エコーでは左室駆出率62%、左房径64mm、左室拡張期径/収縮期径39/26(mm)、右房径69×48mm、下大静脈径27/22mmであった。心臓カテーテル所見は冠状動脈に有意な狭窄はなかった。置換大動脈弁および僧帽弁の狭窄ないし閉鎖不全、三尖弁閉鎖不全、慢性心不全、肺高血圧症の診断で再手術(大動脈弁置換術、僧帽弁置換術、三尖弁形成術)を行った。集中治療室で完治したが、術後心不全による肺水腫および肺炎のため長期挿管管理となった。
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