発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140244
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64歳女.脳梗塞を発症,入院加療中に不整脈を認め,心原性脳梗塞が疑われた.心エコーにてII度の大動脈弁逆流と大動脈無冠尖に付着した可動性のある腫瘤を認めたが,明らかな発熱や血液炎症所見はなく,胸部X線,心電図に有意な異常はなかった.頭部CTにて小脳半球と左側頭葉に低吸収域を認め,脳梗塞を初発症状とし大動脈弁閉鎖不全症に併発した感染性心内膜炎の診断にて手術を行った.心嚢内には若干量の漿液性心嚢液が貯留し,大動脈弁無冠尖の左室側に存在した無茎性腫瘤は弁尖より容易に遊離したが,大動脈弁置換術を施行した.病理組織学的所見から腫瘤は大動脈弁を原発とする良性の乳頭状弾性線維腫と診断され,摘除した大動脈弁には感染症やリウマチ性変化を認めず,術後は経過良好にて退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2004