発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011034199
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31歳男。大動脈二尖弁による大動脈弁逆流に対し、27mmのEdwards Prima Plusステントレス生体弁による置換術を受けた。手術はsubcoronary法で行われ、拡大した上行大動脈に対する形成術を併施した。術直後より軽~中等度の逆流を認め、5年の経過で逆流が増加し、左室拡張末期径(LVDd)は拡大傾向を示した。再手術を施行し、右冠状動脈尖中央に2.6×10mmの穿孔を認めた。生体弁の壁部分は自己大動脈弁と癒合して一体となり、剥離困難のため弁尖のみ切除し、生体弁の弁輪に20mmのATS AP360弁を縫着した。上行大動脈は大動脈断端の内外をテフロンフェルトで補強し、径24mmの人工血管を用いて置換した。病理所見で右冠状動脈尖は膠原線維の変性を認め、弾性線維は減少していた。中等度の粘液変性を伴う小石灰化巣をわずかに認めた。炎症性細胞の浸潤はなかった。術後2週間で軽快退院し、LVDdは60mmから48mmに減少した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010