発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009298947
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全弁膜症に対しウシ心膜弁を使用して弁置換術を行った60歳以下の17例について、最長9年間の中期成績を調査した。大動脈弁置換術(AVR)7例、僧帽弁置換術(MVR)5例、二重弁置換術1例、AVR+上行置換術1例、AVR+僧帽弁形成術1例、MVR+冠状動脈バイパス術1例、MVR+maze手術1例であった。使用した弁サイズは、大動脈弁は#23が、僧帽弁は#27が多かった。術後再開胸止血術を1例に行い、病院死亡例はなかった。遠隔死亡は4例で、1例は胃癌により7ヵ月後、1例は腎不全で2年後に死亡した。その他の2例は外来受診を自己中断しており、各々術後4ヵ月、8ヵ月に自宅で突然死した。Kaplan-Meier法による9年生存率は73.2%、心臓死回避率は9年で87.8%であった。術後心臓関連合併症として、1例は徐脈性心房細動で11日後にペースメーカ植込み術を行い、他の1例は1ヵ月後に心不全で再入院した。経過中に感染性心内膜炎、血栓塞栓症、抗凝固療法による出血などは認めなかった。また、経過中に人工弁構造破壊や再手術例もなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009