胸壁・横隔膜の手術-その2 横隔膜交通症
横隔膜交通症手術における欠損孔同定の実際と工夫
佐藤 征二郎
1
,
小池 輝元
,
橋本 毅久
,
土田 正則
1新潟大学 呼吸循環外科
キーワード:
横隔膜
,
胸腔鏡法
,
胸水
,
胸部X線診断
,
糸球体腎炎-IgA
,
持続的外来腹膜透析
Keyword:
Diaphragm
,
Glomerulonephritis, IGA
,
Peritoneal Dialysis, Continuous Ambulatory
,
Pleural Effusion
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracoscopy
pp.967-970
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015008974
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症例は65歳男性で、IgA腎症により慢性腎不全となり、持続腹膜透析(CAPD)が導入され、3週間後より呼吸困難が出現し、胸部X線で大量の右胸水貯留を認め、横隔膜交通症が疑われた。聴診で収縮期雑音、右側呼吸音の減弱を認めた。胸部X線で右胸水貯留を、胸部CTで右側の大量胸水を認めたが横隔膜面に異常所見は認めなかった。胸水穿刺により胸水中のグルコース濃度は154mg/dlと血糖測定値118mg/dlと比べ高値でなかったが胸水ドレナージ後にCAPDをいったん中止したところ胸水貯留を認め、横隔膜交通症と診断し、交通部の閉鎖のため胸腔鏡下手術を行った。術後第3病日にドレーンを抜去し、CAPDを再開した。術後1年3ヵ月経過したが再発を認めていない。
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