発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010199006
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53歳男。慢性腎不全に対し持続腹膜透析(CAPD)を開始した約7ヵ月後に透析液の回収不能となり、2日後に呼吸困難を主訴に受診し入院した。低蛋白、腎機能障害を認め、胸部X線で多量の右胸水、CTで多量の右胸水と縦隔の圧排を認めた。胸腔ドレナージで透析液と胸水が等量であり、indigocarmine 1Aを混注した透析液でのCAPDで胸水が着色したことより横隔膜交通症と診断した。腹腔造影で右横隔膜円蓋部に胸腔へ嚢状に突出する陰影を認めて交通孔と確認し、胸腔鏡手術を施行した。気腹法により横隔膜腱を中心に径約1cmの嚢状の膨隆を認め、胸腔を生理食塩水で満たすと気泡が噴出したため嚢状部を縫縮した。術後CAPDを再開して胸水が貯留しないことを確認後に胸腔ドレーンを抜去した。術後1年2ヵ月、再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010