発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017161
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53歳男.呼吸困難を主訴とした.腎機能が悪化し,持続腹膜透析(CAPD)導入のため入院した.CAPDを開始したところ,透析液回収不良,呼吸困難が出現した.胸部X線,CTで多量の右胸水を認めた.肺,横隔膜に異常はなく,心拡大や心嚢液増量も認めなかった.右胸腔穿刺で約2lの漿液性胸水を除去できたが,胸水中のグルコース濃度は330mg/lと高値であった.CAPDによる横隔膜交通症と診断し,胸腔鏡下に横隔膜縫縮術を施行した.腱中心に横隔膜の菲薄化を認め,これを縫縮した.術後順調にCAPDを施行していたが,透析液を増量したところ,術後8月で幹胸水の再貯留を認めた.再手術を施行しなかったため,その原因は確認できなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2004