手術の工夫
大動脈弁置換術後の基部再建の工夫 completion Bentall procedure
久貝 忠男
1
,
摩文仁 克人
,
盛島 裕次
,
阿部 陛之
,
山里 隆浩
,
西岡 雅彦
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 心臓血管外科
キーワード:
灌流
,
術後合併症
,
人為心停止法
,
大動脈弁
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
人工弁置換術
,
Bentall手術
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aortic Valve
,
Aneurysm, Dissecting
,
Heart Arrest, Induced
,
Postoperative Complications
,
Perfusion
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
pp.207-210
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014204289
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51歳男。30年前に大動脈弁置換術(機械弁)を受け、warfarinによる経過観察を受けていた。今回、夕食後に突然の心窩部痛および胸背部痛が出現した。経胸心エコーで機械弁は二葉弁で、動きは良好であった。弁周囲逆流もなかった。上行~基部に剥離内膜を認めた。CTでは偽腔開存のStanford A型急性大動脈解離を認め、両側腸骨動脈まで進展していた。腹腔動脈、上腸間膜動脈は真腔灌流であったが、著しく虚脱していた。Valsalva洞は一部嚢状に突出し、最大径54mmと拡大を認めた。心エコー所見と重ねると、エントリーは基部~上行大動脈に存在すると考えられた。手術所見では内膜裂孔が前回大動脈切開線の下端で、縫合ラインに沿うように存在していた。弁機能不全は認めず、機械弁を温存し、Bentall手術を行った。術後経過は良好で、リハビリテーション後、第31病日に独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014