発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006131497
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大動脈弁狭窄症(AS)では,臨床症状の出現している時点で手術が唯一の治療手段で,大動脈弁置換術の適応と考えられる.その中で心筋肥大が著明である症例では,術中のVF,VTなどの不整脈や術後low output syndrome(LOS)など問題があり,術中の心筋保護法の検討が重要である.手術手技的な問題として,弁輪部にまで石灰化の及ぶ狭小弁輪症例に対して,石灰病変の切除法,人工弁の選択法,縫着法,弁輪拡大術の必要性など,検討の余地が残されている.手術早期・晩期成績は良好となってきているが,リスクの高い透析(HD)症例などでは成績は不良であり,手術の危険性と術後の予後を考慮して適応を決定する必要がある.小口径人工弁の遠隔成績,とくに圧較差や左室肥大が改善されるかどうかについても議論のあるところであるが,当センターのデータをもとに検討する
©Nankodo Co., Ltd., 2006