術前術後管理
心臓血管手術周術期にeltrombopag投与が有効であった特発性血小板減少性紫斑病
庄村 心
1
,
片山 芳彦
,
草川 均
,
駒田 拓也
1三重県厚生農業協同組合連合会松阪中央総合病院 胸部外科
キーワード:
狭心症
,
胸大動脈
,
再手術
,
術後合併症
,
動脈瘤-解離性
,
紫斑病-特発性血小板減少性
,
大動脈瘤-胸部
,
周術期管理
,
大動脈置換術
,
Eltrombopag
,
胸部CT
Keyword:
Aorta, Thoracic
,
Aneurysm, Dissecting
,
Angina Pectoris
,
Postoperative Complications
,
Reoperation
,
Purpura, Thrombocytopenic, Idiopathic
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
,
Perioperative Care
,
Eltrombopag
pp.203-206
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014204288
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72歳男。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)で投薬治療中であり、1年前および13年前に狭心症で経皮的冠動脈形成術を受けていた。今回、DeBakey IIIB型早期血栓閉塞型急性大動脈解離にて1ヵ月の保存的治療を行ったが、潰瘍様突出像の拡大と3ヵ月間で2mmの遠位弓部大動脈瘤径の拡大を認め当科紹介となった。手術を行うこととし、ITPによる出血のリスクを考慮して術前にeltrombopag導入療法を行った。術前7週間からeltrombopag内服を開始し、開始量は12.5mg/日で2週間毎に12.5mgずつ増量、術前1週間に37.5mg日に増量維持した。術前日の血小板数は11.5万/μlであった。人工心肺下に上行弓部置換術を行い、術後の血小板数は10~12万/μlで推移し、経過良好で術後16日に退院した。術後9ヵ月、大動脈瘤の術前精査で左主幹部の狭窄が90%に進行し、血小板数は4.8万/μlで、術前10日からeltrombopag 37.5mgの内服を開始した。術前日の血小板数は7.2万/μlであった。人工心肺下に3枝バイパスを行い、術後の血小板数は10~12万/μlで推移し、術後16日に軽快退院した。
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