発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014188474
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は57歳女性で、52歳時に結節性多発動脈炎(PN)と診断され、ステロイドおよび免疫抑制薬による加療中であった。今回、心臓超音波検査にて大動脈弁閉鎖不全症(AR)の増悪を指摘され、手術目的で当科紹介となった。大動脈造影ではSellers分類III度の大動脈弁逆流を認め、冠状動脈造影では右環醸動脈入口部に50%狭窄を認め、ARに対し大動脈弁置換術を施行した。PNに対する周術期治療としてPSL、AZP、MTX内服を行ったがPNの悪化を認めたため、抗TNF-α製薬による強化療法を開始したところ、自覚症状およびCRPは改善し、術後26日目に独歩退院した。術後3年目の現在、人工弁周囲逆流などの合併症は認めず、良好に経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2014