発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010320099
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66歳男。呼吸苦が出現し、大動脈弁閉鎖不全症、心房細動、糖尿病を認め、内服加療で心不全が改善したため一旦退院し、今回、手術目的で再入院した。経胸壁心エコーで軽度の左房拡大、左室壁運動のびまん性の軽度低下を認め、大動脈弁は弁尖の大きさがほぼ均一な四尖弁で、大動脈弁の接する中心部に優位な中等度大動脈弁逆流を認めた。胸骨正中切開で開胸し、人工心肺を確立して観察したところ、大動脈弁は四尖弁で、弁尖の大きさはほぼ均一であった。各弁尖には肥厚を認め、全体として弁は接合不良であった。各交連には腱索様の構造物と裂隙を認めた。大動脈弁形成術は困難と考え、人工血管ATS 23mmを用いて大動脈弁置換術を行った。術後経過は良好で、第11病日の経胸壁心エコーで大動脈弁逆流の消失に伴う左房・左室の縮小を認め、第15病日に合併症なく退院した。
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