発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166475
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74歳女.息切れ,胸部圧迫感,動悸を主訴とした.自覚症状は10年以上前より出現し,同時期より大動脈弁閉鎖不全(AR)の指摘を受け,軽度の心不全で入退院を繰り返していた.家族歴にMarfan症候群は認めなかった.胸部X線で著明な心拡大と両肺野の軽度うっ血を認め,心エコーで上行大動脈の内径は45mmでARは大量であり,僧帽弁も硬化が進み僧帽弁閉鎖不全(MR)は大量であった.利尿薬内服による心不全軽快後,僧帽弁置換術および大動脈基部置換術を施行した.病理組織学的に大動脈壁の中膜では多数の瘢痕が形成され,一部は嚢胞性中膜壊死状であり,大動脈弁尖,僧帽弁前尖はともに線維性の肥厚を認めた.術後無石胆嚢炎を併発したが経皮経肝胆嚢ドレナージにより軽快し,術後31病日に退院した.術後9ヵ月に施行した心エコーでは,左室拡張末期内径/収縮期内径が41/20mm,収縮期左房径が51mm,左室内径短縮率が51%と,良好な結果を得た
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