発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014177014
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74歳女。31年前に低悪性度子宮内膜間質肉腫(ESS)の診断で子宮全摘+両側付属器切除術後に放射線治療を受けた既往があった。今回、肺炎で近医にて入院加療の際、肺野の腫瘤影が指摘され、経気管支生検で転移性腫瘍が疑われ、手術目的で著者らの施設へ転院となった。所見ではCEAの高値、肺拡散能の低下があったほか、胸部X線で右下肺野に楕円形陰影、CTで右肺下葉S8末梢に不整形腫瘤、更にFDG-PETで右肺下葉S8の腫瘤に一致した早期相および遅延相の異常集積が認められた。一方、経気管支肺生検では比較的小型で卵円形核を有する細胞の充実性増殖が認められた。以上より、胸腔鏡下に肺部分切除を行なった結果、腫瘍は3.5×3.0×3.0cmの多結節癒合状の白色充実性腫瘤で、N/C比の高い均一な短紡錘形・類円形細胞の増殖を認め、免疫染色はCD10、α-SMA、一部でdesmin陽性で、31年前の子宮切除標本に類似しており、ESS low gradeの転移と診断された。尚、術後の経過良好で、補助療法は行わず、退院後、経過観察中である。
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