発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005175822
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27歳女性.患者は1年前に検診で右下肺野の異常陰影を指摘され,近医で経過観察中に拡大傾向を認め紹介受診となった.所見では,X線で右下肺野に2×2cm大の辺縁明瞭な円形結節影を認め,CTでは右下葉S9に20×18mmの境界明瞭であり平滑で,内部はモザイク状の結節影を認めた.未分化型肺癌の疑いと診断され,確定診断と治療目的で右下葉切除術ならびに2群リンパ節郭清を行ったところ,右S9の腫瘍は白色球形で内部不均一な充実性腫瘤で,明らかな被膜外浸潤はなかった.一方,病理所見では細胞密度が高く,核の腫大が目立ち,核分裂像は3~4個/HPFで悪性腫瘍と考えたが,keratin-CAM5.2に染色されず非上皮性腫瘍と診断し,S-100でごく少数が染色され,細胞質が散在性にPGP9.5に染色されて神経原性肺肉腫と診断した.術後経過は良好で第16病日に退院となった
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