発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014177013
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79歳男。肺腺癌の診断で胸腔鏡下右上葉切除+リンパ節郭清が施行され、病理所見は粘液産生、乳頭状腺癌(pT2N0M0、病期IB期)であった。今回、右腋窩に潰瘍を伴う皮膚病変を自覚し、視診にて腫瘍の露出する皮膚潰瘍が認められた。また、皮下に約2cm大の弾性硬の腫瘤が触知され、細胞診ではclass Vの腺癌であった。以上、これらの所見に加え、SCC抗原のやや上昇から、対処として辺縁を約1cmとり、表皮や皮下組織を含めて広範囲摘出術を行ったところ、病理所見では低分化腺癌像ほか、免疫染色ではCK-20陰性、TTF-1陰性を示し、総じて肺原発皮膚転移癌と診断された。尚、目下、原発巣切除から8年、転移巣切除から5年経過で肺野を含め再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014