- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1)82歳男。右気胸に対し近医でドレナージが行われたが、約1年後に再び右気胸が生じ、ドレナージと自己血による癒着療法が行われた。だが抜管後、また気胸が生じ、再ドレナージを行うが、エアリークが持続するため著者らの施設へ紹介となった。CTを行なったところ、奇静脈食道陥凹内に広がる傍脊柱ブラが認められ、これが気胸の責任病変と考え、胸腔鏡下手術が行われた。手術は聴診三角に小開胸を追加して縦長ブラの癒着を剥離したが、下葉肺底区縦隔側に縦長のブラと根部付近に破裂孔を認め、ブラ根部を自動吻合器で切除し、断端にフィブリン糊と吸収性ポリグリコール酸シートを貼付した。症例2(64歳男)。肺気腫に対する右気胸ドレナージ後、2週間目に再発し、再ドレナージが施行されるも多量のエアリーク、皮下気腫が出現した。そこで、トロッカーを追加挿入し、症例1と同様にエアリークおよび傍脊柱ブラに手術が行われた。その結果、患者は糖尿病のコントロール不良で膿胸を合併しており、更に旧トロッカーと連続する膿胸による癒着が認められた。以後、聴診三角部に小開胸追加したが、下葉S6縦隔側にヒョウタン型に連なる有茎性ブラの根部近傍に破裂孔を認め、ブラ根部を三重結紮し、膿胸腔を掻爬し洗浄した。症例3(68歳男)。右気胸再発に対しドレナージが行われたが、抜管翌日に再発し、ドレナージを再び施行するも、体動時にエアリークが出現したため、症例1、症例2と同様の傍脊柱ブラに胸腔鏡下手術が行われた。その結果、上葉は全面癒着し、下葉縦隔側に下葉S6と茎でつながり、かつ破裂孔を有する鶏卵大のヤツガシラ状ブラが認められた。そこで、根部を自動吻合器で切除し、断端にフィブリン糊とPGAシートを貼付した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014