発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014130611
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61歳男。過食した翌朝、腰部不快感があり嘔吐した後、胃痙攣様の症状が持続した。絶食、輸液、プロトンポンプ阻害薬投与により一時的に症状は改善したが、その後右胸背部痛が出現した。胸部CTで胸水貯留と気胸を認めた。著しい炎症所見の亢進を認め、膿胸と診断した。胸部単純CT所見では、気胸を伴う胸水貯留と右下葉の無気肺像を認めた。胸腔ドレーンを挿入し、悪臭を放つ黄色の混濁した膿性胸水が排出された。胸水培養で複数の菌を検出し、クリンダマイシンとセフタジジムの点滴で炎症所見は改善傾向であった。混濁した胸水の排出が持続した。上部消化管内視鏡検査を実施し、食道胃接合部の直上の胸部食道に白苔の付着を認め、同部が胸腔内と交通しているものと判断した。胸腔内の清浄化と確実なドレナージを主たる目的として手術を行った。術後は絶飲食のうえ、中心静脈栄養を行った。術後16日には排液流出は完全に停止し、術後33日に退院した。
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